福島の放射能はいつなくなるのか ― 物理学を避けて確率計算より

2011年3月、震災によって福島第一原子力発電所の一部の施設が水素爆発を起こし、大量の放射能がまき散らされてしまった。それから約2年が経過した今でも放射能によって多くの住民が避難を余儀なくされている。

一体放射能はいつなくなるのか。

残念ながら私は物理学専攻ではないので、放射線のメカニズムについては詳しいことは分からない。何でも、放射能原子核が崩壊するときに放射線が放たれるのだとか。それならば、ある時間内に原子核が崩壊する確率を考えれば放射能の量の推移を予測する事ができそうだ。以下、物理学の土俵ではなく、純粋な確率論の土俵で考察してみよう。

1年以内に1個の原子核が崩壊する確率をqとすれば、例えば5年目に原子核が崩壊する確率は、

(1 - q) x (1 - q) x (1 - q) X (1 - q) X q

となる。ふむふむ、簡単な確率計算である。実際には対象は1個の原子核ではなく、膨大な数の原子核だと考えればよい。さらに、資料「幾何分布からの指数分布の導出」をもとに丁寧に確率計算を展開すると、t年後の放射能の量u(t)はCおよびλを定数として、
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となりそうだ。早速これをもとに放射能の量の推移を予測してみたのが、下の図である。

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うーむ、20年経っても50年経っても、放射能の量は減りこそすれ、一向になくなることはなさそうだ。現実は厳しい。

でも確率計算をもとにせっかくここまで理論(?)を展開したのだから、この理論をもとに何とか対策を考えることはできないだろうか。

先ほどの式に戻って、λは放射能に特有の定数のようなので、これを変えるのは不可能のようだ。

ただ除染によってCを下げることはできそうだ。そうすれば、放射能の量の推移は上図の赤い線の下をいくだろう。

除染技術のさらなる進歩に期待したい。