はじめに
米国では毎年確定申告が義務付けられている。日本人が申告するときの留意事項(筆者の独断と偏見で選択、必ずしも正確ではない)をごく簡単にメモしておく。これから記述するのは、2016年現在の情報。申告締め切りは4月中旬。
Federal
まずは、申請者が米国税制法上、resident alienか、non-resident alienなのかを判断する必要がある。以下、resident alienという前提で話を進める。するとまず記入が必要なのが、Form 1040。
Form 1040
最初にFiling Statusを決めなければならない。家族(妻子持ち、働いているのは申請者のみ)で申請するなら、Married Filing Jointlyが一般的。Head of Householdは単に同居しているというイメージか。妻のSSNがない場合は、ITINを入力する等、ちょっと強引に処理した箇所もあった。
そして雇用先から配布されるForm W-2の情報を記入していく。
外国(日本)に銀行口座がある場合、額面によっては以下の行に受け取り利子を記入する必要がある。
8a Taxable interest. Attach Schedule B if required
そして、利子の明細をSchedule Bに記入してForm 1040の付録資料とする。
米国内の銀行であれば、Form 1099-INTが送られて来るようだが、日本の銀行では当然それは望めないので、為替レートに応じてドルによる額面を記入しなければならない。
参照:
Most interest that you either receive or is credited to your account and that you can withdraw without penalty is taxable income in the year it becomes available to you. In addition, some interest you receive may be tax-exempt. You should receive Copy B of Form 1099-INT (PDF) or Form 1099-OID (PDF) with respect to payments of interest of $10 or more, showing the taxable or reportable tax-exempt interest. You must include in income on your federal income tax return all interest received that is taxable, even if you do not receive Copy B of Form 1099-INT or 1099-OID. You must give the payer of your interest income your correct taxpayer identification number. If you do not, you may be subject to a penalty and backup withholding. Refer to Topic 307 for information on backup withholding.
Use Schedule B (Form 1040A or 1040), Interest and Ordinary Dividends, if you had a financial interest in, or signature authority over, a financial account in a foreign country or you received a distribution from, or were a grantor of, or transferor to, a foreign trust. Part III of the schedule has questions about foreign accounts and trusts.
日本に銀行口座がある場合、さらに、Form 8938の提出が必要。なお、IRS宛てではないが、FinCEN Form 114 (https://www.fincen.gov/forms/bsa_forms/)も提出する必要がある。
参照:
Form 8938
residentで海外の合計貯金額が申請対象期間の一時点で$10,000を超えた場合、提出する。
State
まずresidentか否かを判定する。Federalとは基準が異なるので注意。residentなら、Form 540に記入。
書式作成・提出方法
業者に依頼する
信頼できる業者であれば、自分で作成するより安心できる。日本人が運営しているところもある。費用は作成する書類や条件によって大きく変動するが、Form 1040, Form 8938, Form 540で合計$300近くになるだろうか。
自分で作成する
Residentならば、最近はIRSがインターネット上で紹介してる業者のオンラインシステムを使って書類を作成・提出できる。但し、日本の銀行の貯金額の申告等、多くの米国人が氣にしなくてもいいことまで関係してくるので、少々厄介。多くの業者のオンラインシステムはそこまで対応していないようだ。例えば、1099-INTがないけど、あることにして日本の銀行からの利子を記入するなど、ちょっと姑息な手段を使う必要があるかも知れない。
４種類くらい試したが、結局以下しかうまくいかなかった。
特にForm 8938に対応しているかが問題だった。
Free-File filing of Form 8938
他の参考情報：
